Sunday, April 15, 2012

小論文:日本の伝統工芸は消えている

日本の美術や工芸に興味がある私は、伝統産業の現状を少し心配している。確かに今日本にある工芸はちゃんと生きているけれど、伝統産業全体としては衰退していて、うまく発展していない。私は専門家ではないが、できるだけこの問題に関する見解と解決方法を説明したいと思う。

統計によると、伝統工芸の産出も後継者も少なくなっている。工芸品産業はもともと徒弟制度に頼って継続しているので、若い職人が足りなかったら必ず衰退すると思う。全国伝統的工芸品センターの統計によると、伝統工芸品産業界の従事者数は1979年(昭和54年)の28万8千人から2006年(平成18年)の9万3千4百人に減少した。その中で、30歳未満の従事者の比率は28.6%から6.1%に減少してしまった。つまり、現在若い後継者をもっと育成しないと、数十年後の伝統工芸品産業は大幅に縮小することは避けられないということだ。

現代社会に住んでいる日本人は、伝統工芸品 にあまり興味がなくて、もう生活に役に立たないという考え方もあるのだろう。しかし、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)によって、伝統工芸品は「主として日常生活の用に供されるもの」と定義され、日用品として様々な利用法がある。例えば、日本の伝統工芸の手本である友禅染は華やかなきものを染める工芸だ。また、京都の京仏具は木製または金属製仏壇などの家具で、仏教が普及した日本では普通の日常用品だ。

問題は、ある工芸品は確かにこの時代に使わないようになった。しかし、日本の素晴らしい工芸は日本文化の重要な部分なので、日本人が知らずに消えてしまうことは残念ではないか。イベント、旅行プログラム、テレビ番組、体験、または学生の見学ツーアを通じて伝統工芸の珍しさと重要性を宣伝すれば、「こんなに美しい文化を大事にするべきだ」などの認識を生み出すことができるかもしれない。全部の伝統的工芸品を保護できなくてもかまわない。なぜなら、まずは人の知識を深くするからだと思う。

一方、職人に利益とサポートを与える法律も必要だ。 1974年(昭和49年)に公布された伝産法の目的は、伝統工芸品産業の宣伝、振興、補助などだ。そのために、伝統的工芸品産業振興協会も設立した。伝産法のおかげで、毎年70名の功績のある役員や職人が褒賞をもらう。そして、ある振興計画に適度に経済援助を行っている。 伝統工芸の教育のために学校までも宣伝していて、2007年に765の学校で職人の制作実演と体験があった*。伝統工芸産業はまだ衰退しているので、この産業の存立基盤を固定するために法律の改善はまだまだ続いていくべきだ。

職人をサポートすることといえば、一番重要なのは伝統工芸品の需要を作ることだと思う。確かに、着物を着る人が少なくなるとともに、着物の布を染める工芸の友禅染が衰退している。しかし、染める工芸は別の物にも使えるのではないか。現代の人がよく使うスカーフやネクタイに奥ゆかしい和風の図柄を描いて、大きな着物ほど高くない商品を作ったら、売りやすいと思う。こういうことをしている職人はいると思うけれど、多くの職人はいつもと変わらず一つや二つの種類の工芸品だけを作っている。しかし、継続できるために、このさき色々のことも変わらなくてはいけないと思う。

伝統工芸を守るのは大切なことだ。伝統的工芸品は日本文化の重要な一部なので、現代の皆さんにその美しさと珍しさを認めてほしい。個人でも団体でもどんな小さい努力でも、振興させるための力になると思う。

* 『伝統的工芸品産業をめぐる 現状と今後の振興施策について』 
平成20年8月
経済産業省製造産業局 
伝統的工芸品産業室

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